【5月13日 AFP】フランスで開催中の第71回カンヌ国際映画祭(Cannes Film Festival)で12日、ハリウッド(Hollywood)女優のケイト・ブランシェット(Cate Blanchett)やクリステン・スチュワート(Kristen Stewart)、サルマ・ハヤック(Salma Hayak)ら女性82人が映画業界における賃金の男女平等などを訴え、レッドカーペットの階段に手をつないで集結した。

 米映画界の大物プロデューサー、ハーヴェイ・ワインスタイン(Harvey Weinstein)氏のスキャンダルを発端とするセクシュアルハラスメント(性的嫌がらせ)告発運動「#Me Too(私も)」が起きてから約7か月、女優や映画製作関係者、プロデューサーら女性82人は腕を組んでレッドカーペットを歩き、平等と「安全な職場」を強く求めた。

 82人の中にはアカデミー賞受賞経験を持つ女優のヘレン・ミレン(Helen Mirren)やマリオン・コティヤール(Marion Cotillard)、米監督のエヴァ・デュヴァネイ(Ava DuVernay)氏や映画『ワンダーウーマン(Wonder Woman)』を監督したパティ・ジェンキンス(Patty Jenkins)氏も名を連ねた。

 過去2度アカデミー賞を受賞したブランシェットは声明を読み上げ、「私たちの職場が社会を最も良く反映する場所であるために、多様で公平であることを求める」と述べ、「カメラの前と後ろに立つ女性全員が男性たちと協力しながら活躍できる世界」を望むと訴えた。

 参加した女性の数82人は象徴的な意味を持つもので、同映画祭の最高賞パルムドール(Palme d'Or)を競うコンペティション部門に1946年から今回までに選出された女性監督の数を表している。この数は1700人近い男性監督の数と比較するとかなり少数だ。

 82人は女性たちが最高の栄誉を目指す際に直面する障害を表現するため、同映画祭の本会場であるパレ・デ・フェスティバル(Palais des Festivals)のレッドカーペットの階段の途中で立ち止まった。

 ブランシェットが「私たちの業界への階段は全ての人に開かれているはず。一緒に階段を上がろう」と宣言すると、感極まった様子を見せる参加者もいた。(c)AFP/Nina LAMPARSKI