【5月13日 AFP】17-18ドイツ・ブンデスリーガ1部は12日、第34節の試合が行われ、ハンブルガーSV(Hamburger SV)は2-1でボルシア・メンヘングラッドバッハ(Borussia Moenchengladbach)に勝利したが、残留争いのライバルであるVfLボルフスブルク(VfL Wolfsburg)が4-1でケルン(1. FC Cologne)を退けたため、クラブ史上初となるブンデスリーガ2部降格が決まった。

 ハンブルガーSVは国内リーグを6回制した名門で、1963年のブンデスリーガ創設以来、一度も2部降格を経験していない唯一のクラブだった。1983年には欧州チャンピオンズリーグ(UEFA Champions League)の前身に当たるヨーロピアンカップ(European Cup)を制覇。リーグの「恐竜」の異名も取った。

 ハンブルガーのベルント・ホフマン(Bernd Hoffmann)会長は「クラブに関わるすべての人間にとって、非常につらい瞬間だ。われわれはクラブの決定的な特徴の一つを失った」と話し、クリスティアン・ティッツ(Christian Titz)監督も「無念だ。きょうの試合には勝てると確信していたし、それで残留できると思っていた。これで1部には別れを告げることになったが、チームとファンのほとんどは誇りを見せてくれたと思う」とコメントした。

 ボルフスブルクとプレーオフにまわれる16位の座を争っていたハンブルガーだが、この日は他会場のボルフスブルクが開始1分で先制する最悪のスタートとなった。チームもアーロン・フント(Aaron Hunt)のゴールで先制しながら、メンヘングラッドバッハのヨシップ・ドゥルミッチ(Josip Drmic)に同点ゴールを献上。しかし、ボルフスブルクも前半途中に同点ゴールを許したため、試合はどちらも1-1で前半を終えた。

 ハンブルガーは後半に入ってルイス・ホルトビー(Lewis Holtby)のゴールで勝ち越したが、ボルフスブルクもイングランド・プレミアリーグのリバプール(Liverpool FC)から期限付き移籍中のディボック・オリジ(Divock Origi)の得点で勝ち越しに成功。さらにハンブルガーが20分を残して退場者を出す中、ボルフスブルクが追加点を挙げた時点で両チームの命運は決した。

 ハンブルガーの試合では終了間際、観客が爆竹などを投げ込んだため、本拠地フォルクスパルクシュタディオン(Volksparkstadion)に黒煙が漂い、ブンデス1部在籍55年という誇るべき記録は醜い形で終わりを迎えた。試合は約15分の中断を挟んでから再開され、間もなくタイムアップ。1部に在籍した期間を表示していたスタジアムの有名なデジタル時計も、ついにスイッチを落とさなくてはならなくなった。

 16位を維持したボルフスブルクは、2部で3位に入ったホルシュタイン・キール(Holstein Kiel)とのプレーオフに進むことになった。(c)AFP/Kit HOLDEN