【5月11日 AFP】米中央情報局(CIA)の次期長官指名をめぐり、ドナルド・トランプ(Donald Trump)大統領が推す候補に対し、悪性の脳腫瘍で闘病中のジョン・マケイン(John McCain)上院議員(81)が異議を唱えていることについて、トランプ氏の側近の一人が、マケイン議員は「どうせ死ぬんだから」反対しても意味はないと発言したと、米メディアが報じた。

 CNNなどはこれを、トランプ氏の広報部門の側近のケリー・サドラー(Kelly Sadler)氏のコメントだとしている。

 トランプ氏はCIA次期長官にジーナ・ハスペル(Gina Haspel)副長官を指名。ハスペル氏はかつて、通称「ブラック・サイト」と呼ばれる秘密施設でテロ容疑者に対する「水責め」などの拷問を監督していたとされる。ハスペル氏は9日に開かれた上院情報委員会の公聴会で、指名が承認された場合拷問は再開しないと約束したものの、拷問を倫理上非難されるべき行為と断言するには至らなかった。

 ベトナム戦争(Vietnam War)に従軍し、自身も捕虜になり拷問を受けた経験のあるマケイン議員はこの公聴会後に、ハスペル氏は長年国のために尽くしてきた「愛国者」だと評したものの、同公聴会の前には同氏の過去に触れ、他の議員らに指名を否決するよう促していた。

 問題発言を受けてマケイン氏の妻のシンディ(Cindy McCain)さんはツイッター(Twitter)でサドラー氏を名指しし、「思い出してもらいたい、夫には家族が居り、7人の子と5人の孫がいることを」と投稿した。(c)AFP