【5月11日 東方新報】中国・河南省(Henan)鄭州市(Zhengzhou)公安局は10日、同市の空港近くで6日深夜、殺人事件が発生したと発表した。被害者は、山東省(Shandong)済南市(Jinan)の客室乗務員女性の李さん(21)。インターネット配車サービス滴滴出行(Didi Chuxing)でタクシーを利用し、帰宅途中に運転手の男に殺されたとみられる。

 李さんは8日、空港近くのホテルから市街地へ向かう途中で 、下半身に衣服を着けていない状態で見つかった。遺体には多数の刺し傷があった。同公安局は、運転手の劉容疑者を殺人の疑いで行方を追っている。現場付近では、犯行に使われたとみられるナイフと、劉容疑者が乗り捨てたとみられる車が見つかっている。劉容疑者は車を乗り捨てて川に飛び込み、逃走したことが警察の調べで判明している。

 李さんは事件前、6日深夜の電車で帰宅すると家族に連絡したが、翌日になっても連絡が取れず、心配した李さんの父親が警察へ通報。本人の身分証明番号から、李さんは電車に乗っていなかったことが判明した。

 また、家族の知人によると、李さんは乗車後、チャットツールの微信(ウィーチャット、WeChat)で同僚に、「運転手が変態だ、キスしたいと言われた」などと伝え、同僚が早く車から降りるようにと返信していたことがわかった。心配した同僚が李さんに電話をかけたが、李さんは「大丈夫」と言ったので電話を切ったという。

■滴滴が謝罪、逮捕協力者に懸賞金

 事件を受けて10日、被害者の李さんに配車サービスを提供した滴滴は謝罪するとともに、逃走中の運転手の逮捕協力者に懸賞金100万元(約1721万円)をかけ、二度と同じような事件が起こらないように業務の調査を徹底するとしている。(c)東方新報/AFPBB News