【5月11日 AFP】米国がイランと貿易を行う諸外国の企業に対する制裁を再発動したことについて、フランスのジャンイブ・ルドリアン(Jean-Yves Le Drian)外相は「容認できない」と非難した。米国と欧州の同盟諸国との亀裂が深まる中、フランス政府は欧州諸国に「経済主権」を保護するよう呼びかけている。

 ドナルド・トランプ(Donald Trump)米大統領は8日、イラン核合意からの米国の離脱と対イラン経済制裁の再発動を発表した。数年越しの難しい交渉の末に核合意にこぎつけた入念な外交努力を覆す決定に、欧州諸国は合意を何とか維持する道を懸命に模索している。

 米政府は、イランで事業展開する欧州の企業に対し、6か月以内に投資を引き上げなければ米国の制裁対象になる可能性があると警告。イランとの新規契約締結も禁じた。

 この条件についてルドリアン仏外相は10日、欧州企業に影響が及ぶ恐れのある制裁を科す場合、米政府には欧州同盟諸国と協議する必要があると非難。米国の制裁措置については「治外法権」とみなしており「容認できない」「米国が種をまいた合意破棄の代償を、欧州市民が支払うべきではない」と仏大衆紙パリジャン(Le Parisien)に語った。

 また、ブリュノ・ルメール(Bruno Le Maire)仏経済相は11日、イランと貿易する権利に関してはEUが域内の「経済主権」を守らなければならないと主張。オランダのウォプケ・フクストラ(Wopke Hoekstra)財務相との会談を前に、EUはイランと事業を行う域内企業に「異なるルールを適用するよう、共同体として米国と協議」する方針だとラジオ局ヨーロッパ1(Europe 1)に明かした。(c)AFP/Katy Lee