【5月11日 AFP】ポーランド下院(定数460)は10日、右派与党「法と正義(PiS)」が提出した議員報酬を20%削減する法案を賛成240、反対2、棄権5の賛成多数で可決した。閣僚に多額のボーナスが支給されていることが昨年明るみに出て、国民の怒りを招いていた。

 賛成票のほぼ全てを両院で安定多数を占める「法と正義」の議員が投じ、主要野党3党の議員らは「泥棒」と叫んで採決に参加しなかった。

 削減法案は先月、PiSのヤロスワフ・カチンスキ(Jaroslaw Kaczynski)党首が公表したもの。カチンスキ党首は政府内に正式な役職を持たない一議員にすぎないが、事実上ポーランドの政策決定者とみなされている。

 ポーランドの現行の議員報酬は月額約1万ズロチ(約30万7000円)。だが、PiSの閣僚がこれに加えて各1万5000~1万9000ユーロ(約195万~250万円)のボーナスを受け取っていると昨年メディアが暴露し、国民の平均月収約1000ユーロ(約13万円)のポーランド社会に怒りが広がっていた。(c)AFP