【5月11日 AFP】(更新)スペイン北東部カタルーニャ(Catalonia)自治州のカルレス・プチデモン(Carles Puigdemont)前首相は9日、中央政府からの圧力を受け、同州の次期首相候補として自身が指名されることを拒否した。

 プチデモン氏はドイツでビデオ声明を出し「中央政府が不寛容でカタルーニャ州の住民の意思を全く尊重していないことは世界から見れば明らかだろう」と述べ、後継者としてキム・トラ(Quim Torra)氏(55)を指名し独立国家の建設を託した。

 トラ氏は数か月前に政界に入ったばかりだが、この10年ほど同州の分離独立に向けて精力的に活動してきた。

 スペイン中央政府は9日、プチデモン氏のカタルーニャ州首相候補指名に介入してこれを阻止。分離独立派に別の候補者を選ぶよう圧力をかけていた。

 プチデモン氏は3月、欧州逮捕状に基づきドイツで逮捕されたが、4月に保釈金を支払って釈放されている。

 分離独立派は昨年12月の州議会選で勝利したが、今月22日までに次期州首相を選出できなければ州議会選をやり直す必要がある。カタルーニャ州では数か月にわたり政治的混乱が続いている。(c)AFP