【5月11日 AFP】(写真追加)9日投開票のマレーシアの総選挙で勝利したマハティール・モハマド(Mahathir Mohamad)元首相(92)は10日、首都クアラルンプールで首相の就任宣誓式に臨み、選挙で選ばれた世界最高齢の指導者となった。マハティール氏率いる野党連合は総選挙で予想外の歴史的勝利を収め、61年にわたって支配を続けた与党連合「国民戦線(Barisan Nasional)」から政権を奪取した。

 イスラム教の伝統を重んじた宣誓式は王宮で行われ、マハティール氏は国王ムハマド5世(Muhammad V)によって正式に首相に任命された。

 宣誓式が進行する中、王宮前に集まった何百人もの人々は歓声を上げて国歌を歌い、中には泣き崩れる人の姿も見られた。クアラルンプールの夜空には花火が打ち上げられた。

 宣誓式後の記者会見でマハティール氏は、新政権は経済に重点を置くと明言した。マレーシアでは近年、生活費が上昇し、国民の大きな懸念となっている。

 同氏はまた「抑圧的」な法律を廃止すると宣言。広く批判を集めている「フェイク(偽)ニュース対策法」について検討するとの意向を示した。

 さらに、政府系投資会社「ワン・マレーシア・デベロップメント(1MDB)」をめぐる不正資金疑惑について、新政府が調査を行うとの考えも明らかにした。ナジブ・ラザク(Najib Razak)前首相によって設立・監督された1MDBからは何十億ドルもの資金が不正に流用されたとされ、マレーシアの国際的なイメージを失墜させる一大スキャンダルとなっている。ナジブ氏と1MDBは共に不正を否定している。

 一方でマハティール氏自身もかつて独裁的との批判を浴びており、過去の首相時代には政敵らの収監も行われていた。(c)AFP/Sam Reeves / Martin Abbugao