【5月10日 AFP】(更新、写真追加)イスラエル軍は10日未明、占領地ゴラン高原(Golan Heights)に駐留する部隊にシリア側からロケット弾やミサイル約20発が撃ち込まれたと発表し、シリアに展開するイラン部隊による攻撃だと非難するとともに、反撃としてシリアのイラン部隊拠点をミサイル攻撃したことを明らかにした。国営シリア・アラブ通信(SANA)によると、シリア国内の複数の軍事基地や兵器庫、軍事レーダーが爆撃されたという。

 イスラエル軍の報道官は、ゴラン高原への攻撃は革命防衛隊の特殊部隊「アルクッズ(Al-Quds)部隊」によるものと非難。撃ち込まれたミサイルの一部は迎撃システムで撃ち落としたとし、死傷者はなかったものの軍は今回の攻撃を「非常に深刻に捉えている」と発表した。

 また、イスラエル軍がシリア国内の複数のイランの軍事施設をミサイル攻撃したと説明。撃ち込まれたミサイルの発射基地のほか、情報部門、兵たん部門、貯蔵施設、車両などを標的としたと述べた。

 今回の攻撃は、イスラエル軍による対イラン攻撃では近年で最も大規模なもの。ただ、イスラエル側は事態の深刻化を望まないと軍報道官は強調した。

 一方のSANAは、イスラエルからシリアに向けて撃ち込まれたミサイルのうち数十発が防空システムによって撃墜されたが、一部が標的に到達したと報道した。ミサイルが撃ち込まれた具体的な地名は伝えておらず、首都ダマスカスを標的としたものだったかにも触れていないが、首都では爆発音が聞こえた。(c)AFP