【5月10日 AFP】ドナルド・トランプ(Donald Trump)米大統領が中央情報局(CIA)次期長官に指名したジーナ・ハスペル(Gina Haspel)CIA副長官(61)は9日、上院公聴会で証言し、自身が長官に就任すれば、たとえ大統領命令であっても被拘束者の拷問を許可しないと言明した。

 CIAは2002~05年、国際テロ組織アルカイダ(Al-Qaeda)関連の容疑者を多数拘束し、国外各地の「ブラック・サイト」と呼ばれる秘密施設に送った上で、「水責め」などの過酷な尋問を行っていた。ハスペル氏は、2002年に水責めが行われたタイの秘密収容所での役割について批判を浴びている。

 同氏は公聴会で、自身がCIA長官として承認されればこうした活動は支持しないと言明。「あの激動の時代の勤務経験があるからこそ、私の指揮下にあるCIAがそのような収容・尋問プログラムを再開することはないと、明確かつ堂々と誓うことができる」と表明した。

 だがハスペル氏は、問題の尋問活動自体を非難することは拒否。また、当時異議を唱えなかった理由を追及されると、自身を含む職員らは命令に従っていたと説明した。さらに、トランプ氏の命令が出されれば尋問活動を再開し、拷問を許可するかと問われると、「例え厳密には合法だったとしても、自分が道徳に反すると思う活動をCIAに許可することはない」と返答した。(c)AFP/Paul HANDLEY