【5月9日 AFP】南米ペルーのアマゾン地域では、2001年から2016年までの間に200万ヘクタール近くの森林が消失し、年間12万3000ヘクタール以上のペースで森林が減少していることが、同国環境省が8日に公表した統計データで明らかになった。

 環境省の森林保全計画を統括するセサル・カルメット(Cesar Calmet)氏はAFPの取材に対し、農業、畜産、違法伐採、鉱物違法採掘、麻薬密売などが森林破壊の主な原因となっていると語った。

「行動を起こさなければ、森林消失面積が年間30万~40万ヘクタールに達する可能性がある」と、カルメット氏は警鐘を鳴らした。

 環境情報サイト「モンガベイ(Mongabay)」によると、2017年にも急速な森林破壊が続いており、「サッカー場20万面分に相当する」14万3000ヘクタールに及ぶアマゾンの森林がペルーの地図から消え去ったことが衛星画像で明らかになっているという。

 国連環境計画(UNEP)によると、ペルーは地球上の生物多様性の70%を保持する世界17か国からなる「メガ・ダイバース(Mega Diverse)」国家グループの一つだという。

 また、国内のアマゾン森林の面積がブラジルに次いで2番目に広い国でもある。

 ペルー東部に位置するアマゾン盆地は国土の3分の1を占めており、地球温暖化の原因となる温室効果ガスの貴重な吸収源となっている。

 特に困難な状況に陥っているのはマドレデディオス(Madre de Dios)県のアマゾン地域南部で、選鉱による金の採掘が広く行われている同地域では森林破壊が急速に進んでおり、消失した森林の面積が2001年の年間5000ヘクタールから2016年には1万7000ヘクタールに急増していると、カルメット氏率いる環境省の調査グループは指摘している。(c)AFP/Roberto CORTIJO