【5月9日 AFP】(更新、写真追加)ドナルド・トランプ(Donald Trump)米大統領は8日、米国がイラン核合意から離脱し、対イラン制裁を再開すると発表した。

 トランプ氏はホワイトハウス(White House)での演説で、「イラン合意にはその中核に欠陥がある」と指摘し、「私はきょう、米国がイラン核合意から離脱すると発表する」と表明。イランに「最高レベルの経済制裁」を科す意向を示した。

 また、イランを世界屈指のテロ支援国家と断じ、同国が中東に及ぼす影響を非難。核合意は「悲惨な」内容であり、米国にとっての恥辱だと表明し、イランがうそをついた「証拠」があると主張した。

 トランプ氏は以前から、バラク・オバマ(Barack Obama)前大統領が2015年に英中仏独ロと共に結んだこの合意を「非常にひどい形で交渉された」と批判し、破棄の意向を公言。一方、核合意を中東の軍拡競争を食い止める最後の砦だとみていた欧州各国は、代替案の交渉のための時間をもうけるよう、懸命な説得を続けていた。

 合意支持派の一部は、部分的な制裁再開にとどまるか、交渉のための時間が与えられるかもしれないという望みにかけていた。しかしジョン・ボルトン(John Bolton)大統領補佐官(国家安全保障担当)はトランプ氏の演説後、米政府がイランに対し追加制裁を科す選択肢を検討していることを明らかにしている。

 トランプ氏は、合意の柱の一つであるイラン中央銀行と石油部門の取引をめぐる制裁免除措置の延長を認めるかどうかを、12日を期限として決定する予定だった。(c)AFP