【5月8日 AFP】米国最大の銃ロビー団体である全米ライフル協会(NRA)は7日、ロナルド・レーガン(Ronald Reagan)政権時代に発覚したイラン・コントラ(Iran-Contra)事件の中心人物だったオリバー・ノース(Oliver North)氏(74)を次期会長に選出したと発表した。

 イラン・コントラ事件では米政府高官らがイランに対する極秘裏の武器売却を手引きし、売却代金を中米ニカラグアの反政府武装勢力コントラ(Contra)に資金提供していたことが発覚。一大政治スキャンダルに発展した。

 ノース氏は同事件に関連する3つの罪状で有罪を言い渡されたものの、後の上告審で有罪判決は覆された。

 NRAは7日、ノース氏の会長立候補が理事会で承認され、数週間後には同氏が今期限りでの引退を表明しているピート・ブラウネル(Pete Brownell)現会長の後任に就任すると明らかにした。

 ノース氏は国家安全保障会議(NSC)に所属していた1980年代にイラン・コントラ事件に関与し、米議会の公聴会で虚偽の証言をしたなどとして後に訴追された。中佐を務めた米海兵隊を退役した後、保守論客として米FOXニュース(Fox News)のコメンテーターを務め、数冊の著書はベストセラーとなった。

 NRAのウェイン・ラピエール(Wayne LaPierre)副会長はノース氏を「米国の自由にとって伝説的な戦士であり、天性のコミュニケーション能力を持つ有能な指導者」とたたえ、「NRAメンバーにとってはチャールトン・ヘストン(Charlton Heston)が会長に就任して以来最大のニュースだ」と語った。

 故ヘストン氏はハリウッド(Hollywood)のかつての大スターで、1998年から2003年までNRA会長を務めた。(c)AFP/W.G. Dunlop