【5月8日 AFP】スペイン1部リーグのFCバルセロナ(FC Barcelona)を今季限りで退団するアンドレス・イニエスタ(Andres Iniesta)について、中国スーパーリーグ(1部)の重慶当代力帆(Chongqing Dangdai Lifan)が大金を投じて獲得する可能性を否定したことを受け、同選手が日本かオーストラリアに移籍する可能性があると報じられている。

 バルセロナで約20年にわたり素晴らしいキャリアを過ごし、スペイン代表としても2010年のW杯南アフリカ大会(2010 World Cup)を制した実績を持つ33歳のイニエスタは、中国とスペインの報道で重慶力帆への移籍が有力視されていた。しかしながら同クラブは、プロモーションやマーケティングなどで協力関係を持っているイニエスタが「選手として」加入する可能性はないものの、将来的に手を結ぶ扉は開かれているとしている。

 また重慶力帆は、中国サッカー界が戦力を補強するための爆買いを控え、母国選手の育成に努める方針を打ち出していることを引き合いに、「中国サッカー界の健全な発展」を支援する意向を示しており、「当クラブは中国サッカー界の発展計画に背くつもりはない。中国サッカー界の健全な発展に貢献していく決意だ」と述べた。

「当クラブの株主が所有する他のスポーツ産業部門は、仲介業やマーケティング、さらには若手の育成や教育でイニエスタ氏と緊密な協力関係を持っている。イニエスタ氏との間で、将来的に中国市場でさらに緊密な協力関係を築く可能性については除外しないが、これは同氏が選手として当クラブに加入することを意味するものではない」

 こうした状況を受け、スペインメディアはイニエスタの移籍先候補としてJリーグ1部(J1)のヴィッセル神戸(Vissel Kobe)の名前を挙げているが、同クラブは8日、AFPの取材にコメントを控えた。一方、スペインの日刊紙スポルト(Sport)では、オーストラリアのAリーグがイニエスタの「有力な移籍先」と報じられたが、同国サッカー協会(FFA)もノーコメントだった。(c)AFP