【5月8日 AFP】フィギュアスケート女子のスター選手、エフゲニア・メドベデワ(Evgenia Medvedeva、ロシア)が、長年のコーチであるエテリ・トゥトベリーゼ(Eteri Tutberidze)氏の元を離れ、カナダの名将ブライアン・オーサー(Brian Orser)氏に師事することになった。

 平昌冬季五輪の女子シングルで、同じトゥトベリーゼ門下生のアリーナ・ザギトワ(Alina Zagitova、ロシア)の前に金メダルを逃したメドベデワは、オーサー氏の指導を仰ぐため、男子シングルでは2014年ソチ冬季五輪に続いて大会2連覇を果たした羽生結弦(Yuzuru Hanyu)をはじめ、スーパースターが勢ぞろいしているカナダ・トロントの名門クラブ、トロント・クリケット・スケーティング&カーリングクラブ(Toronto Cricket Skating and Curling Club)のリンクで滑ることになった。

 2016年と2017年の世界フィギュアスケート選手権(ISU World Figure Skating Championships)を制している18歳のメドベデワは、ロシアフィギュアスケート連盟(FSFR)が出したコメントの中で「時に厳しくも、長年にわたり多くの成功を生んだ仕事」を共にしたトゥトベリーゼ氏とスタッフ全員に感謝の意を表した。

 さらに、「彼らが私にフィギュアスケート人生を与え、誇りが持てる素晴らしい結果に導いてくれました」とすると、練習拠点を変更する理由については、「新しい可能性と別の練習方法を模索し、ロシア代表として高いレベルを維持していくため」と説明した。

 今年の平昌五輪で金メダルの大本命に挙げられていたメドベデワは、昨季終盤にけがで約2か月間戦列を離れており、1月の欧州選手権(ISU European Figure Skating Championships 2018)では3連覇がかかっていたものの、その間に一気に頭角を現した15歳のザギトワが優勝を果たした。

 両者は2月に開催された平昌五輪のフリースケーティング(FS)で156.65点の同スコアに並んだものの、ショートプログラム(SP)で世界最高得点をたたき出していたザギトワが、1.31点差で同胞をかわしてタイトルを獲得。メドベデワは金メダルを逃したが、女子シングルと団体で銀メダルを手にした。

 現在56歳のオーサー氏は、現役時代に五輪で通算2度の銀メダルに輝いたほか、世界選手権を制した実績を持っている。指導者としては羽生以外にも、欧州選手権6連覇中で平昌五輪では銅メダルに輝いたハビエル・フェルナンデス(Javier Fernandez、スペイン)や、2010年バンクーバー冬季五輪の金メダリストである金妍児(Yu-Na Kim、キム・ヨナ、韓国)を育てた。(c)AFP