【5月5日 AFP】ドナルド・トランプ(Donald Trump)米大統領は4日、テキサス州ダラス(Dallas)で開かれた全米ライフル協会(NRA)の年次総会で演説した。米国ではフロリダ州パークランド(Parkland)の高校で起きた銃乱射事件以降、銃規制の変革を求める世論が高まっているが、大統領は関連法規の厳格化をきっぱり否定し、銃所有者らを支持した。

 トランプ大統領のNRA年次総会出席は2回目だが、銃乱射事件が発生した今年2月14日以降では初めて。

 大統領は「われわれは苦しみを受けているすべての米国人に胸を痛める」と述べる一方、民間人の半自動火器購入への規制強化を求める声を退けた。

 トランプ氏の前座を務めたマイク・ペンス(Mike Pence)副大統領はさらに踏み込み、乱射事件の悲しみばかりが報じられ、銃を持つ「善良な人々」は十分に取り上げられていないと述べた。

 トランプ、ペンス両氏は、メディア報道への「フェイク(偽)」批判やロシアの米大統領選挙介入疑惑をめぐる捜査への「魔女狩り」批判を展開するとともに、今年11月の中間選挙での投票を呼び掛け、「偉大な米国旗」を賛美しながら、支持者らの感情に訴えた。

 米国では17人が死亡したパークランドの事件をきっかけに銃規制強化を求める世論が高まり、3月24日に首都ワシントンで行われた学生主催の抗議集会には数十万人が参加した。

 トランプ大統領は一時、事件を受けて銃規制法を厳格化する姿勢を示したが、寄付者らから圧力がかかったほか、中間選で民主党に大敗する可能性に直面し、即座に撤回している。(c)AFP/Andrew BEATTY