【5月4日 AFP】ニュージーランド海軍幹部が、防衛駐在官として着任していた在米大使館のトイレに隠しカメラを設置し、トイレ使用者を撮影しようとしていた罪で起訴されている。裁判記録で4日、明らかになった。

　起訴されたのは、ニュージーランド海軍准将だったアルフレッド・キーティング（Alfred Keating）被告。グラント・パウエル（Grant Powell）判事によると、昨年7月に同大使館の男女共用トイレに録画装置が隠されているのが見つかった際、キーティング被告は同国軍トップの防衛駐在官を務めていたという。

　4日に公開された文書でパウエル判事は、「トイレの暖房ダクトの中に、トイレに入り使用した人を録画できる高さと向きに合わせてカメラが意図的に取り付けられていた」と明かした。

　隠しカメラは床に落下して見つかった。カメラ台にほこりの厚い層が付着しており、何か月もの間固定されていたとみられる。

　キーティング被告は米国内では外交官免責特権を有していたが、自国ニュージーランドの警察は証拠を求めて同氏の家宅捜索に踏み切った。

　わいせつ動画は見つからなかったものの、警察はキーティング被告が問題のカメラ用のドライバーソフトをインストールしていたことを発見。さらに、カメラのメモリーカードに付着した検体と同氏のDNAが一致したという。被告は今年3月、盗撮企図の罪に問われると、その後退役した。

　キーティング被告は、身元が公になれば自身と家族が「極度の苦境」に直面すると訴えて氏名非公表の申し立てを行っていたが、高等裁判所がこれを却下。裁判は継続中で、被告は容疑を否認している。(c)AFP