■ラドクリフ氏は新規則を支持

 女子マラソンの世界記録保持者であるポーラ・ラドクリフ(Paula Radcliffe)氏は、IAAFの新ルールに賛成している一方で、今回の変更については「大きな潜在的危険性をはらんでいる」という見解を示しており、英通信社プレス・アソシエーション・スポーツ(Press Association Sports)に対して、「これはIAAFが、大多数にとっての公平性を追求しているから」と述べた。

 その一方で、同氏は「フェアな答えはありません。つまり、全員にとってフェアな解決法はないということです。人種差別とか性差別とか、そういう議論が再び起きている状況にとても腹が立ちます。そういう類いのことではありません。限りなく不可能に近い状況から公平性を追求しているのです」と語った。

 現在はIAAFで選手コミッションのメンバーを務めているラドクリフ氏は、この問題でセメンヤを「看板」にすることは「まったくの不公平」であると述べ、同選手は何も不正はしていないと強調した。

「彼女は長距離で優勝した選手だから、人々から名指しされているのです。この問題に直面しているのが一人だけならば、私たちは放っておくでしょう。現実的にはそうではなく、スタートラインに立つ女子選手たちは、800メートルで自分がメダルを獲得することは不可能だと認識している。それが根底にあるのです」 (c)AFP/Luke PHILLIPS