【5月4日 AFP】米大リーグ(MLB)のシアトル・マリナーズ(Seattle Mariners)は3日、イチロー(Ichiro Suzuki)外野手が球団の特別アドバイザーとしてフロントの役割を果たすことになったと発表した。直ちに適用されるこの動きで44歳のベテランは今シーズンのプレーができなくなり、現役としてのキャリア終了も示唆されているが、同選手の代理人は引退を意味するものではないと強調した。

 イチローの代理人を務めるジョン・ボッグス(John Boggs)氏は、MLB専門チャンネルのMLBネットワーク(MLB Network)に対し、「彼は現役を退くのではなく、2018年は違う役割を担うことになる。そして、2019年については今後決めていくことになる」と述べ、来年日本で行われるシーズン開幕戦でプレーする「可能性」はあると補足した。

 また、マリナーズのジェリー・ディポト(Jerry Dipoto)ゼネラルマネジャー(GM)は、「われわれは、イチローがフィールド外でこのチームにもたらしてくれるすべての価値を確保したい」とすると、「この新しい役割は、それを成し遂げる一つの手段だ。それは時間の経過とともに進化していく一方で、重要なのは球団内でのイチローの存在感と選手やスタッフと共に過ごす時間が、試合での勝機を高めるということだ。それが球団とイチローにとっての最優先事項だ」と語った。

「その数々の偉業、人柄、独特の視点、そして仕事への倫理観によって、彼はチームの若手とベテランの双方に影響を与えられる唯一の立場にいる。今後は試合に出場しないということ以外、彼が行っていることは何も変えてほしくない。イチローとの契約と彼のマリナーズへの同化が、今シーズンのチームを後押ししてくれていることは間違いない。そして、今後もそれが続くことを望んでいる」

 2016年にMLB史上30人目の通算3000本安打を達成し、昨年7月にはロッド・カルー(Rod Carew)氏を抜いて米国外出身選手の歴代安打数でトップに立ったイチローは、2001年から2012年までマリナーズに所属した後、ニューヨーク・ヤンキース(New York Yankees)とマイアミ・マーリンズ(Miami Marlins)を渡り歩いた。そして今シーズンは、MLBで大部分のキャリアを過ごしてきた古巣マリナーズに1年契約で復帰していた。(c)AFP