【5月2日 AFP】韓国の文在寅(ムン・ジェイン、Moon Jae-in)大統領は2日、「在韓米軍(USFK)は韓米の同盟関係に関する問題であり、平和協定とは一切無関係」と述べ、北朝鮮との間で平和協定が締結された場合、在韓米軍は撤退せざるを得ないとの見方を否定した。

 朝鮮戦争(Korean War)が勃発した1950年代以降、韓国と北朝鮮は法的に戦争状態が続いているが、文大統領と北朝鮮の金正恩(キム・ジョンウン、Kim Jong-Un)朝鮮労働党委員長は先月27日に行われた歴史的な南北首脳会談で、65年前に締結された朝鮮戦争の休戦協定を恒久的な平和協定に転換する道筋をつける事で合意した。

 2日の文大統領のコメントは、平和協定が締結されれば陸海空全ての米軍兵士の韓国駐留に疑問が生じると公に示唆した、大統領府の文正仁(ムン・ジョンイン、Moon Chung-in)統一外交安保特別補佐官の主張を受けて、韓国に駐留する米兵2万8500人に言及したもの。

 韓国大統領府(青瓦台、Blue House)の金宜謙(キム・ウィギョム、Kim Eui-kyeom)報道官は、大統領府から文特別補佐官に対し「そのようなコメントで、これ以上混乱を生まないよう」警告したことを明らかにした。

 文特別補佐官は米外交専門紙「フォーリン・アフェアーズ(Foreign Affairs)」への寄稿文で「北朝鮮と平和協定が締結されれば、在韓米軍の存在を正当化し続ける事は難しい」と主張していた。(c)AFP