【5月2日 AFP】モロッコ政府は1日、イランとの外交関係の断絶を発表した。モロッコが領有権を主張する西サハラ(Western Sahara)の緩衝地帯で、独立派武装組織「ポリサリオ戦線(Polisario Front)」に対し、イランがレバノンのイスラム教シーア(Shiite)派原理主義組織ヒズボラ(Hezbollah)を通じて武器提供していると非難している。

 モロッコのナッセール・ブリタ(Nasser Bourita)外務・国際協力相は、今回の決定について「現在の地域的あるいは国際的な情勢」とは無関係だと述べた。サウジアラビアとその同盟国は、イランが支援するシーア派組織と対立し緊張が高まっている。

 しかしヒズボラはモロッコ政府の主張をすぐに否定。同国が諸外国の「圧力」に屈していると非難した。

 首都ラバトで記者会見したブリタ外務・国際協力相は、アルジェリアが支援するポリサリオ戦線への最初の武器輸送は、最近アルジェリアのイラン大使館の「要員」を通じて行われたと指摘。「モロッコ政府は、ポリサリオ戦線とヒズボラの共謀を裏付ける動かぬ証拠や氏名、特定の行動を把握している」と述べた。(c)AFP