【5月1日 AFP】今季のスペイン1部リーグでタイトルを獲得したFCバルセロナ(FC Barcelona)が30日、地元バルセロナで優勝パレードを行った。沿道にはファン数千人が列をなしていたものの、欧州チャンピオンズリーグ(UEFA Champions League 2017-18)で早期敗退を喫した悔しい雰囲気も漂っていた。

 リーグ優勝とスペイン国王杯(Copa del Rey 2017-18)制覇を果たし、クラブ史上通算8度目の国内2冠を達成したバルセロナは、リオネル・メッシ(Lionel Messi)やアンドレス・イニエスタ(Andres Iniesta)らスター選手がオープンバスに乗り、チームのトレードマークである紺とえんじのユニホームを身に着けたファンから紙吹雪や「チャンピオン、チャンピオン」の大合唱を浴びた。

 しかし、市内中心部を通り抜けるパレードに集まった観衆の数はこれまでよりも少なく、熱狂的な雰囲気にも欠けていた。それはこの週末が長い連休の最中で地元住民が街を離れていたことだけが理由ではなく、バルセロナが欧州チャンピオンズリーグ準々決勝で敗れてしまったショックをファンが今も引きずっていることにあった。

 バルセロナのシャツを着た2人の子どもとパレードに参加した57歳のファンは「不完全燃焼のシーズンだ。2冠では物足りない」とすると、「国王杯は大きなタイトルではない。リーグ優勝はうれしいけれど、チャンピオンズ(リーグ)の方が盛り上がる。準決勝や決勝で負けるならまだしも、格下のチームに準々決勝で敗れるとは」と話した。

 息子を連れた37歳の公務員もまた、「ASローマ(AS Roma)に負けたことが、私たちにとってはとげのように刺さっている。彼らに成績表をつけるとしたら、Bプラスだ」と語った。

 宿敵のレアル・マドリード(Real Madrid)が歴代1位の記録を更新する通算13回目の欧州チャンピオンズリーグ制覇に向けて突き進むなか、バルセロナのファンは嵐のような今季について、何があれば違っていたのかと思いを巡らせている。

 エルネスト・バルベルデ(Ernesto Valverde)監督の就任1年目となったバルセロナは、昨夏にスター選手のネイマール(Neymar da Silva Santos Junior)がチームを退団すると、スペイン・スーパーカップ(Spanish Super Cup 2017)ではレアルに敗れた。

 しかし、その後はチームを立て直してライバルをピッチで圧倒し、国王杯決勝ではセビージャFC(Sevilla FC)を5-0で退けて4連覇を果たすと、29日の試合ではデポルティボ・ラ・コルーニャ(Deportivo La Coruna)に4-2で勝利し、最近10年間で7度目のリーグ優勝を確定させた。

 58歳の女性サポーターが「肝心なのは、私たちが彼らにこれ以上を求めているということ」と話すと、その夫はレアルとバイエルン・ミュンヘン(Bayern Munich)の欧州チャンピオンズリーグ準決勝について言及し、「レアル・マドリードが敗退すればとても良いシーズンになるけどね」と語った。(c)AFP