【4月30日 AFP】フィリピン政府は30日、麻薬ビジネスに関与したとされる地方当局者200人超の氏名を公表した。ロドリゴ・ドゥテルテ( Rodrigo Duterte)大統領による麻薬撲滅戦争の「殺害予定者リスト」になると懸念されたものの、聞き入れなかった。

 選挙運動がしばしば暴力沙汰につながる同国では、数週間後に地方選挙が控えている。そうした中で、ドゥテルテ大統領は氏名の公表を命じた。

 比麻薬取締局(Philippine Drug Enforcement Agency)のアーロン・アキノ(Aaron Aquino)局長は記者団に対し、「違法な麻薬ビジネスに関与した地方当局者の名前を暴露することは、何よりまず、ロドリゴ・ドゥテルテ大統領からの直接命令だ」と説明。

 アキノ局長は、名前を挙げられた当局者らが麻薬を使用したり、取引したり、さらには密売組織のボスだったりすることが、警察および情報機関の4組織によって立証されていると主張した。

 5月14日に実施される地方選が迫る中、当局は氏名リストが面目をつぶす手段だとしているが、人権活動家らは暗殺を駆り立てる結果につながり得ると指摘している。(c)AFP