【4月30日 AFP】シリア政府は、1週間にわたり空爆を続けていたダマスカス南部のパレスチナ難民キャンプ、ヤルムーク(Yarmuk)からの避難を認めることで反体制派と合意した。シリア・アラブ通信(SANA)が29日、報じた。

 ヤルムーク難民キャンプの一部と周辺地区は、2015年からイスラム過激派組織「イスラム国(IS)」が掌握しており、シリアとイラクの大半で支配地域を失ったISにとって都市圏としては最大の牙城となっている。

 シリア政府軍は首都南部からISを追放するため、1週間にわたってヤルムークへの空爆を続けていた。合意発表前に政府軍の案内でヤルムーク西方の前線付近を取材したAFP特派員は、狙撃音や政府軍による激しい空爆・砲撃の音を聞いている。

 SANAは、シリア北西部の反体制派支配地域への「テロリスト集団」の移送を30日に開始すると伝えたが、ISには言及しなかった。

 これに先立ちシリア政府と反体制派は、同じくダマスカス南部のヤルダ(Yalda)、バビラ(Babila)、ベイトサヘム(Beit Sahem)の各地域でも、反体制派の戦闘員らの撤退で合意していた。SANAによると、反体制派の戦闘員らは家族を伴って同地を離れるか、武器を政府軍に引き渡して留まるかを選ぶことになるという。(c)AFP