■偏見を持つ危険も?

 このサービスは今のところ順調だが、もちろん懸念事項もいくつかある。その一つは、アルゴリズムの学習速度が速すぎ、どのようにして重要な選択を行ったのかを解明するのが難しいことだ。またロボットの学習がすべて人間の考えをよりどころとしていることを考えると、ロボットが差別や偏見といった弱点を免れ続けることはできないのではないかという不安もある。

 そうしたリスクに対応するためには、求人システムにおけるAIの役割を控えめに設定することだと、スタートアップ人材企業による連合体「LabHR」(在パリ)のジェレミー・ラムリ(Jeremy Lamri)氏は言う。「機械には何に注目すべきかを伝えるだけでいい。これには機械学習は必要ない」

 欧州を中心とする人材会社「バデノック・アンド・クラーク(Badenoch & Clark)」関連会社の幹部、ローラン・ダシルバ(Laurent da Silva)氏も、最初の選考は機械ができるとしても最終判断を下すのは常に人間だと話す。「私たちの私生活と一緒です。出会いはAIが助けることができるかもしれないが、最終的に『タンゴを踊るには本物の人間が2人要る』のです」 (c)AFP/Julie JAMMOT