【4月28日 AFP】英ロンドンの自然史博物館(Natural History Museum)は27日、同博物館が主催する野生生物写真コンテストの昨年の優勝作品に写っているアリクイが、ブラジルの国立公園のビジターセンターに通常展示されている剥製である可能性が「極めて高い」との見解を発表し、優勝を取り消した。

 昨年、「ワイルドライフ・フォトグラファー・オブ・ザ・イヤー(Wildlife Photographer of the Year)」の「動物を取り巻く環境」部門で優勝したのは、マルシオ・カブラス(Marcio Cabral)氏が撮影した、ブラジルのエマス国立公園(Emas National Park)でアリ塚から捕食しているアリクイの姿を捉えた、「夜の侵略者(The Night Raider)」と題された印象的な作品。

 自然史博物館は声明で、「受賞作品に写っている動物が、剥製標本である可能性が極めて高いことを示す証拠が第三者から提供された」、「調査の結果、当博物館は、入手した証拠は疑惑が真実であることを示しているという結論を下した」と述べ、コンテストの規定は、「エントリー作品は鑑賞者を欺いたり、自然の本質を偽って伝えようとしたりしてはならない」と定めていると補足した。

 同博物館は、今年3月にこの写真の信ぴょう性を疑問視する「匿名の情報筋」からの連絡を受け、動物や剥製術の専門家に調査を依頼していたという。(c)AFP