■生き残るために順応

 ザリフの経営は、仏パリの人脈に依存している。同社は、仏ファッションブランド「アニエスベー(agnès b.)」から支援を受けており、また米ニューヨークにも信頼できる常連客たちがいる。

 アフガニスタンの伝統の保存に努める一方、シェルザドさんは時代に順応することも余儀なくされており、バッグや男性用ジャケットの裏地にリフォームできる贅沢な仕立ての伝統的衣装を探して、国内のアンティークショップを訪ね歩くこともある。

 絹には、こうした課題が凝縮されている。同国西部の都市、ヘラート(Herat)原産の手織りの絹織物は、かつてターバンの素材として国内の製造業者に使用されていたが、現在はイランに輸出されている。

 シェルザドさんは、「アフガニスタンには現在、この技術を習得している職人が一人しかいません」と話し、「職人の養成が必要ですが、何を目的にすれば良いのでしょう。人々に経済的余裕はないですし、若い人たちはもうターバンを身に付けません。私たちは、絹を使った何か別のものを開発する必要があります」と続けた。(c)AFP