【4月27日 AFP】米ペンシルベニア州の裁判所で26日、かつて「アメリカのパパ(America's Dad)」として全米で親しまれたコメディアン、ビル・コスビー(Bill Cosby)被告(80)に対し、性的暴行の罪で有罪の評決が言い渡された。

 コスビー被告の裁判は昨年6月、陪審員の意見が割れて評議が下されないまま終了した後、再審が行われていた。この再審はセクハラ告発運動「#MeToo(私も)」が広がって以降最初の著名人による法廷闘争で、同被告の失墜劇の終幕であり、被害を訴える女性数十人の正当性を示す場でもあった。

 コスビー被告は2004年1月、ペンシルベニア州フィラデルフィア(Philadelphia)の自宅で元大学職員アンドレア・コンスタンド(Andrea Constand)さんに薬物を投与し、わいせつ行為を行ったとされる。陪審団は、意識がないコンスタンドさんに対して行われた加重強制わいせつ全3件について有罪の評決を下した。

 量刑は1件につき最高で禁錮10年。判決が確定すれば、被告は生涯の残りを刑務所で過ごす可能性がある。

 被告弁護人は直ちに上訴を宣言した。

 女性の権利のため長年尽力してきた著名弁護士で、コスビー被告の告発者数人の弁護を務めるグロリア・アルレッド(Gloria Allred)氏は、「#MeToo運動でだけでなく、宣誓の下で真実を証言する場である法廷でも、ついに女性が信じられたことを、われわれはとても喜んでいる」と語った。(c)AFP