【4月27日 AFP】国際陸上競技連盟(IAAF)は26日、男性ホルモンのテストステロン値が高い女子選手に対する新たな規定を導入すると発表した。生まれつき同値が高い選手は、薬で基準以下に抑えなければ大会に出場できなくなる新ルールをめぐっては、リオデジャネイロ五輪の女子800メートルで金メダルを獲得したキャスター・セメンヤ(Caster Semenya、南アフリカ)を標的にしているとして物議を醸している。

 男性ホルモン過多状態のアンドロゲン過剰症の影響から飛び抜けた身体能力を持ち、これまでも何度も議論の対象となってきたセメンヤは、2018年11月1日から適用される新規定について、「コメントを期待されているときに、沈黙を守るのはなんと美しいことでしょうか」とツイッター(Twitter)に投稿している。

 しかし、南アフリカの与党アフリカ民族会議(ANC)は、新規定は不公平で人種差別的であると批判し、スポーツ仲裁裁判所(CAS)に提訴するよう政府に要求。声明で「ANCは彼女を締め出し差別する国際競技団体の企てからキャスター・セメンヤを守る」と発表した。「われわれはスポーツを愛するすべての人に対し、選手の大会への参加を妨げるだけでなく、人権を侵害するような反スポーツ的規制からアスリートを守るよう呼びかける」

■「公平に競う場」

 ここ数年、IAAFはセメンヤの権利を尊重しながら、女子選手が「公平に競う場」をつくるのに苦労しており、次々とタイトルを獲得する同選手は、最近もコモンウェルスゲームズ(Commonwealth Games、英連邦競技大会)の800メートルと1500メートルで2冠を達成している。

 タイトルに「性分化疾患(DSD)」の語句が入った規定は、400メートルから1600メートルまでの距離の各レースに適用される。IAAFのメディカルサイエンス部門に所属するステファン・バーモン(Stephane Bermon)医師は「われわれが手がけ、データを積み上げている最新の研究では、新規定が適用される距離でDSDの女子アスリートにアドバンテージがあることが分かった」と明かしている。

 また、IAAFのセバスチャン・コー(Sebastian Coe)会長は「改定されたのは不正についてのルールではない。DSDのアスリートが不正をしたことはない。フェアで意味のある大会にするために競技フィールドを公正にするためのものだ」とコメントしている。(c)AFP