【4月29日 CNS】日本の人気小説家、東野圭吾(Keigo Higashino)氏の代表作『ナミヤ雑貨店の奇蹟』『白夜行』『夜明けの街で』などが中国で次々と映画化、舞台化されている。中国のエンターテインメント企画会社「星在文化」と、ミュージカル制作などを手がける「繆時文化(C-Musicals)」は18日、上海市(Shanghai)で発表会を開き、東野氏の直木賞候補作品『手紙』の中国語版ミュージカルを上演すると発表した。

 2018年は中日平和友好条約締結40周年 に当たる。東野氏の『手紙』の中国語版の契約式も合わせて、発表会の場で行われた。

『手紙』のミュージカルは、2016年1月に東京で初上演され、翌年には再演され、連日満席の人気だった。繆時文化の創業者、張志林(Zhang Zhilin)氏は、「『手紙』は、東野圭吾作品の中でも初めて犯罪加害者の家族の心理をつづった型破りな作品。犯罪小説でありながら、人間の成長や社会問題にも切り込んだ、東野氏の集大成とも言える作品だ」と話した。

『手紙』中国語版を制作するにあたり、プレッシャーもあったという張氏は、「いかにして観客に理解してもらうか、そして物語の中に観客を引き込むか、さらに登場人物の気持ちになって観てもらえるかどうか。それだけでも難易度は高いが、物語の枠を外れてはいけないという縛りの中で、いかに中国語版らしさを出すのかというのは大きな挑戦だった」と話した。

 中国語版『手紙』は、今年10月3~7日、上海市内の劇場「ET聚場(ET Space)」で初演され、12月に再演予定。再演後は、中国内の全国巡演がスタートする。(c)CNS/JCM/AFPBB News