【4月27日 AFP】内政の混乱が続くアルメニアで、野党勢力指導者ニコル・パシニャン(Nikol Pashinyan)氏(42)が26日、当局との妥協は一切しない考えを示し、自身が来週の投票で首相に選出されるべきだと主張した。アルメニアでは今月、前大統領が首相に就任して権力を維持したことに抗議する大規模なデモが行われ、その後、首相が辞任を表明する事態に発展している。

 国民の間で高まる不満を和らげるため、議会は26日、首相選出の投票を5月1日に行うと決定した。ロシアのウラジーミル・プーチン(Vladimir Putin)大統領は、カレン・カラペチャン(Karen Karapetyan)首相代行との電話会談で、投票は「非常に重要」と強調したという。

 首都エレバンで支持者らに向けて行った演説でパシニャン氏は、自身が首相にふさわしい唯一の候補者であり、与党・共和党との裏取引などの可能性は一切ないと強調した。

 新しい首相に就任していたセルジ・サルキシャン(Serzh Sarkisian)前大統領(63)は数日間にわたる抗議デモを受けて、23日に辞任を表明した。野党勢力は、議会の過半数を占める与党が権力にしがみついていると批判している。アルメニアでは首相選出後、議会選挙が行われる予定。

 パシニャン氏は国民に一時的に抗議活動を止めるよう呼び掛け、カラプティアン首相代行と27日に記者らの前で会談を行う意向を明らかにした。今週初めに行おうとしていたが実現しなかった。(c)AFP/ Mariam Harutyunyan and Irakli Metreveli