【4月24日 AFP】中国で人気を誇るソーシャルメディア大手「新浪微博(Sina Weibo)」が「ホモセクシャル」に関するコンテンツの禁止を撤回し、同国のゲイコミュニティーは勝利に沸いている。一方で、LGBT(レズビアン、ゲイ、バイセクシュアル、トランスジェンダー)文化が依然としてエンターテインメント業界でタブーとされている同国では、さまざまな課題が残っている。

 中国では、同性愛をテーマにした映画を劇場公開することは非常に難しく、テレビで同性同士の恋愛を扱うことも、オンライン・ストリーミングでゲイに関するコンテンツを掲載することも禁止されている。

 しかし最近、検閲がとったある行動が、世論の大きな反感を買い、ソーシャルメディア大手の新浪微博が方針転換を迫られた。

 毎月4億人が利用している中国版ツイッター(Twitter)「微博(ウェイボー)」を運営している同社は先週、「暴力や同性愛(関連)を助長するポルノ的な内容の動画」を含む「違法なコンテンツ」を削除すると突然発表した。

 これを受けて同SNSではハッシュタグ「#我是同性恋(私は同性愛者)」を付けた抗議行動が広がり、多くのユーザーがボイコットを呼び掛けた。中国共産党の機関紙「人民日報(People's Daily)」さえもが、同性愛的な内容がポルノや暴力に対する検閲から免除されるわけではないとくぎを刺しつつ、LGBTの受容を促す論評を微博に投稿した。

 上海で行われるLGBTの祭典「上海プライド(Shanghai Pride)」の共同創始者であるレイモンド・ファン(Raymond Phang)さんは、微博の告知に使われた無神経な言葉が人々をいら立たせたと説明する。「暴力やポルノといった不適切なコンテンツを削除するのは良いが、彼らが使った言葉は、コンテンツというよりはむしろ特定のコミュニティーの人々を指していた。こうした大手サイトがそうした言葉を使ったことに、とても失望した」と話した。

 同性愛に関するコンテンツの禁止は、以前は当局が直接指示していたこともあり、抗議するのが難しかったとファンさんは指摘する。「新浪微博は上場企業なので、少なくとも私たちにはカスタマーサービスを通すなど、自分たちの声を伝える方法がある。でも以前は私たちに何ができたでしょう? 誰が政府に手紙を書こうとするでしょう? 宛先は? 部署は?」ファンさんは笑いながらそう話した。