【4月26日 AFP】イングランド・プレミアリーグのリバプール(Liverpool FC)でプレーするエジプト代表モハメド・サラー(Mohamed Salah)の驚異的な活躍は、イスラエルの国防相という普通なら考えられない人物すらもファンにしてしまったようだ。

 イスラエルのアビグドル・リーベルマン(Avigdor Lieberman)国防相は、リバプールが5-2でASローマ(AS Roma)に勝利した欧州チャンピオンズリーグ(UEFA Champions League 2017-18)の試合後、「すぐに参謀総長へ電話して、モハメド・サラーをイスラエル軍に雇うよう言う」とツイッター(Twitter)に書き込んだ。

 リーベルマン国防相はこう冗談半分に話したが、サラーがイスラエルのチームに加わる可能性は限りなく低いかもしれない。エジプトはイスラエルと和平を結んでいるアラブ諸国2か国のうちの一つだが、パレスチナを支持しており、イスラエルへの国民感情は友好的とは言えない。

 サラー自身もFCバーゼル(FC Basel)に所属した2013年、チャンピオンズリーグ予選のマッカビ・テルアビブFC(Maccabi Tel-Aviv)戦で、テルアビブの選手との握手を避けて批判された。さらに敵地で行われた第2戦では、「握りこぶし」を出して試合開始前の握手を避けたことが注目を集め、試合中は盛大なブーイングと口笛を浴びたが、ゴールを決めた。

 サラーはその翌年、試合前は大きな重圧があったが、政治にはまったく関心がなかったと説明し、「行かなかったら処分が科されるし、いろいろと問題になるとクラブから言われた。だから行って、ありがたいことにゴールを決められた」と話している。

 24日のローマ戦では、サラーは古巣相手に2ゴール2アシストの活躍を見せたが、前所属クラブに敬意を表し、得点を喜ぶことはしなかった。サラーはここまで今季公式戦43ゴールを挙げ、選手が選ぶプレミアリーグの年間最優秀選手にも選出された。(c)AFP