【5月4日 AFP】米俳優リチャード・ギア(Richard Gere)さん、仏俳優アラン・ドロン(Alain Delon)さん、ロシアのフィギュアスケート選手アリーナ・ザギトワ(Alina Zagitova)さん。この3人には「秋田犬好き」という共通点がある。

 彼らだけではない。近年、日本原産の秋田犬の人気が海外で飛躍的に伸び、国内の需要を上回っている。

 今年初めには、ザギトワ選手が日本合宿中に目にして気に入ったと明らかにしたことから秋田犬が贈られることになり、大きなニュースになった。

 20年にわたって外国人に秋田犬を販売してきたベテランブリーダーの山口修(Osamu Yamaguchi)さん(64)にとって、ザギトワ選手がキュートな秋田犬を好きになるのは当然のことだ。群馬県高崎市にある犬舎でAFPの取材に応えた山口さんは「以前は日本のお客さまが半分、海外が半分だったのが、ここにきて海外の比率が上がっている」と述べた。

 秋田犬の保護・繁殖を目的とする公益法人「秋田犬保存会(Akita Inu Hozonkai)」も海外での需要が急増していると指摘している。

 海外の飼い主による秋田犬の年間登録数は2005年にはわずか33匹だったが、2013年には359匹、2017年には3967匹と大幅に増加している。一方、国内の登録数は減少が続いており、ピーク時の1970年代は毎年4万匹に達していたが、過去10年間は3000匹以下にとどまっている。

 秋田犬保存会東京支部長の川北晃右(Kosuke Kawakita)さんは、秋田犬のような大型犬を飼う人の数には「日本の住宅事情がずいぶん影響している」と語る。だが、外国人の飼い主の増加により、低迷していた人気が持ち直したという。山口さんは新しい飼い主に秋田犬を直接届けるため、年に20回以上も海外に行く。