【4月25日 AFP】ドイツ最大のユダヤ人団体「ユダヤ人中央評議会(Central Council of Jews)」の代表が24日、ユダヤ人は攻撃の標的にされる危険性を回避するためにユダヤ教徒であることを示す帽子を身に着けるのはやめるべきだとの考えを明らかにした。同国内では最近、反ユダヤ主義による攻撃が相次いでいる。

 ユダヤ人中央評議会のヨゼフ・シュスター(Josef Schuster)会長はベルリンの公共ラジオで、ドイツで暮らす20万人のユダヤ人は警戒する必要があるとして、「自分の立場を敢然と示すことは基本的には正しいが、国内の大都市ではキッパ(ユダヤ教徒の男性がかぶる帽子)をかぶっておおっぴらに歩かない方がいい」と語った。

 これに対して欧州ユダヤ教会(European Jewish Association)のラビ(ユダヤ教指導者)長を務めるマーゴリン(Margolin)師は、発言の撤回を要請。「この深刻な問題について、残念ながら彼の対処法は間違っている」と述べ、「反ユダヤ主義を恐れてキッパを着用しなければ、かえって欧州で反ユダヤ主義を実現させてしまうことになる」と苦言を呈した。

 ドイツでは、極右勢力や2015年以降に大量流入したイスラム教徒の難民による、反ユダヤ主義が再燃する可能性について警戒を促す事件がここ数か月の間に相次いでいる。

 先週、ベルリン市内でシリア人難民の男(19)がキッパをかぶっていたユダヤ人青年2人に対してアラビア語で「ユダヤ人」と叫びながらベルトで殴りかかる事件が発生。被害者の1人が撮影していた動画がソーシャルメディアで拡散し、激しい反発を招いた。

 アンゲラ・メルケル(Angela Merkel)首相は後日、右翼の過激派グループとは異なる「別の形の反ユダヤ主義」が生まれていると非難するコメントを発表した。(c)AFP