【4月25日 AFP】競売大手サザビーズ(Sotheby's)は24日、イタリアの画家アメデオ・モディリアニ(Amedeo Modigliani)の裸体画に、芸術作品の競売史上最高となる1億5000万ドル(約163億円)の予想落札額がついたと発表した。

 この作品は、「(体の左側を下にして)横たわる裸婦(Nu Couche (sur le cote gauche))」と呼ばれる1917年の油彩画で、個人収集家が所有。モディリアニが残した裸体画のうち、個人所有のものは同作品を含めわずか9枚で、競売にかけられるのは極めてまれだ。サザビーズは同日、来月の競売に先立ち中国・香港で同作品を公開した。

 同作品は幅が147センチと、モディリアニ作品の中でも最大。正面に背中を向け、体の左側を下にして横たわり、後ろを振り返る裸婦が描かれ、モディリアニの裸体画の中で唯一裸婦の全身がキャンバスに収まっている。

 同作品は、サザビーズが米ニューヨークで来月14日に開催する印象派と現代芸術のオークションの目玉として出品される予定。モディリアニの別の裸体画は、2015年に同じくニューヨークで、中国人収集家によって1億7040万ドル(約185億円)で落札されている。

 本作以前に最高の予想落札額が付けられたのは、2015年に競売大手クリスティーズ(Christie's)のオークションに出品されたパブロ・ピカソ(Pablo Picasso)の油彩「アルジェの女たち バージョンO(The Women of Algiers (Version O))」で、1億4000万ドル(約152億円)という予想だった。

 芸術品落札額の最高記録は、2017年に4億5000万ドル(約490億円)で落札されたレオナルド・ダビンチ(Leonardo da Vinci)の絵画「サルバトール・ムンディ(Salvator Mundi、救世主)」で、同作品の予想落札額は1億ドル(約109億円)だった。(c)AFP