【4月24日 AFP】ブルガリア南部の山岳地ロドピ(Rhodope)で、親とはぐれたヒグマの子ども3頭が路上をさまよっていたところを村の住民が発見し、3頭は無事に保護された。動物愛護団体「フォー・ポーズ(Four Paws)」が23日、明らかにした。

 保護された子グマは雄2頭と雌1頭。いずれも生後約3か月で体重は2~3キログラム。近くに母グマの足跡がなかったことから、環境省の職員らはフォー・ポーズが運営する近郊ベリツァ(Belitsa)の保護施設へ3頭を搬送した。保護施設の獣医師によれば、子グマたちは精神的なストレス状態に陥っているが、健康状態は比較的良好だという。

 施設では飼育員が3頭にヤギの乳とビタミンを与えて世話をしている。その一方で、母グマ捜しも続けられているが、フォー・ポーズによれば、野生で子グマが発見された場合、母グマは住む地を追われたか密猟者に撃ち殺された事例が9割を占める。3頭が母親との再会を果たせなければ、子グマらは隣国ギリシャの保護区域に移送され、野生に戻る訓練を受けることになる。

 環境省によると、約800頭のヒグマが生息するブルガリアは、欧州で最もヒグマの多い国の一つだ。(c)AFP