【4月24日 AFP】フランスのエマニュエル・マクロン(Emmanuel Macron)大統領は23日、3日間の日程で国賓としての米国訪問を開始した。ドナルド・トランプ(Donald Trump)米大統領が国賓を迎えるのは就任後初めて。

 今回の訪問でマクロン大統領は、トランプ大統領との間で作ってきた親しい関係を生かして、トランプ氏が離脱も辞さないとしているイラン核合意を救い、大西洋を挟んだ貿易戦争を阻止することができるのかが試される。

 マクロン大統領は昨年7月、フランスを訪問したトランプ大統領夫妻を歓迎し、エッフェル塔(Eiffel Tower)でのディナーに招待した他、フランス革命記念日(Bastille Day)には恒例の軍事パレードを共に参観した。マクロン大統領夫妻はホワイトハウス(White House)で豪華な歓迎を受ける前に首都ワシントンのリンカーン記念館(Lincoln Memorial)を予告なしで訪問した。

 今回の訪米を「非常に重要だ」と言うマクロン大統領はその後、独立戦争を戦ったフランス軍人の名を冠したラファイエット広場(Lafayette Square)から多数のフランス国旗の下、米軍の軍旗衛兵らの前を通って大統領執務室があるウエストウイング(West Wing、ホワイトハウス西棟)に入った。その際、ドアのところで待っていたトランプ大統領は笑顔を見せ、マクロン氏と握手した。マクロン氏はトランプ氏の両方の頬にキスをした。

 フランス国内でトランプ大統領は非常に不人気で、マクロン氏は日本の安倍晋三(Shinzo Abe)首相や英国のテリーザ・メイ(Theresa May)首相らと同様に、トランプ氏と良好な関係を築くことで得られる利益を明らかにせよという有権者からの圧力が強まっている。

 米国到着前夜にトランプ氏が好むFOXニュース(Fox News)で放送されたインタビューの中でマクロン氏は「ヨーロッパとの貿易戦争、シリアでの内戦、イランとの対立。もし周囲の全ての国々と戦争を開始したら、物事はうまくいかない。同盟国が必要だ。私たちは同盟国だ」と主張した。

 25日にマクロン氏は米議会の上下両院合同会議でフランス大統領としては珍しく英語で演説し、自身の語学スキルを披露する予定。(c)AFP/Andrew BEATTY