【4月23日 AFP】17-18イングランド・プレミアリーグは22日、第35節の試合が行われ、マンチェスター・シティ(Manchester City)は5-0でスウォンジー・シティ(Swansea City)に勝利。試合終了後には大量のファンがピッチに下りてチームの優勝を祝福し、イングランドサッカー協会(FA)はこれを良く思わないだろうが、ジョゼップ・グアルディオラ(Josep Guardiola)監督はあまり気にしていない。

 試合前のセレモニーが終わり、相手選手が花道を作る中で入場したシティは、開始わずか11分でダビド・シルバ(David Silva)が先制点を挙げると、その5分後には1点目をアシストしたラヒーム・スターリング(Raheem Sterling)が2得点目を記録。後半には試合のベストゴールに選ばれたケビン・デ・ブルイネ(Kevin de Bruyne)のミドルシュートや、ベルナルド・シウバ(Bernardo Silva)、PKを失敗したガブリエウ・ジェズス(Gabriel Jesus)の得点でゴールラッシュを飾った。

 試合終了には大量のファンが本拠地エティハド・スタジアム(Etihad Stadium)のピッチになだれ込んだ。警備員が必死に制止し、スピーカーからピッチに下りるのをやめるよう放送も流されたが、ファンは発煙筒をたくなどし、警備員は安全のため急いで選手を控室へ戻らせた。

 シティの主将ヴィンセント・コンパニー(Vincent Kompany)とベンジャミン・メンディ(Benjamin Mendy)は最後まで残っていたが、暴力行為などはなく、むしろこの試合でけがから7か月ぶりの復帰を果たしたメンディは、喜びに沸くファンにまざって跳びはねながら走り回っていた。

 FAはファンがピッチに侵入する行為に対して厳しいガイドラインを定めていて、過去の似た事例に対しては調査が行われている。2月のFAカップ(2017-18 FA Cup)の試合でも、シティから金星を挙げた3部ウィガン(Wigan Athletic)のファンがピッチに侵入する出来事があり、ウィガンは処分の対象になった。

 それでもグアルディオラ監督はあまり気にした様子を見せず、「問題ない。サッカーは感情のスポーツだ。注意しなければならないことは分かっているが、みんなで喜びを分かち合いたいと感じたのであれば、残るべき場所に残ったらいいし、そうするなと言うことはできない。ファンが幸せなら、チームの近くにいてほしいと思う。ファンが喜びを表現するのは一番美しい瞬間だ。きょうのファンはとても喜んでいた」と話した。

 それでもグアルディオラ監督は、ホームゲームがあと2試合残っていて、勝利数、ゴール数、勝ち点、得失点差、2位との勝ち点差などでリーグ新記録がかかっていることもあって、「芝は傷めないでほしい」と冗談を飛ばしている。

 同日にはイングランド・プロサッカー選手協会(PFA)の選ぶ年間最優秀選手の発表があり、リバプール(Liverpool FC)でプレミア31得点を稼ぎ出しているモハメド・サラー(Mohamed Salah)が選出され、デ・ブルイネは受賞を逃した。

 それでもグアルディオラ監督は、デ・ブルイネが今季最も良かった選手だと考えており「個人的な見解で言えば、この10か月を分析したときに、彼を上回る選手はいない。数字の面でそれ以上の選手はいるだろうが、私にとっては彼がベストだ。これは私の意見で、選手の意見は違うかもしれない。とはいえデ・ブルイネは、チャンピオンとして夏を過ごせる」とたたえた。

 この試合でシルバが得点を記録したことで、シティの公式戦2桁得点者は6人に達した。このことについてもグアルディオラ監督は「われわれが1人か2人の選手に得点を依存していない、一つのチームだという証拠だ。そうでなければこんなことはできない」と話した。

「これがなぜ大きいかと言えば、それだけの数字を出すには、あらゆる面で良い状態を保たなくてはならないからだ。われわれは得点数1位で、失点も一番少ない。チャンスの数は1位で、被決定機は最も少ない。見事なスタッツだし、だからこそ5試合を残してプレミア制覇を達成できた」 (c)AFP/Ian WHITTELL