【4月23日 AFP】17-18イングランド・プレミアリーグは22日、第35節の試合が行われ、アーセナル(Arsenal)は4-1でウェストハム(West Ham)に勝利。20日に退任を発表したアーセナルのアーセン・ベンゲル(Arsene Wenger)監督は、その理由について、ファンが分裂している印象が世界に広まっていくのが耐えられなかったからだと明かした。

 22年の在任期間でプレミアリーグ3回、FAカップ(FA Cup)7回のタイトルを獲得しているベンゲル監督だが、リーグ優勝からは14年遠ざかり、今季は現在リーグ6位と在任中で最低の成績に終わる可能性も高い。

 ベンゲル監督は就任からの10年でプレミアのレベルを上げた立役者の一人だが、近年の進化についていけていないという指摘もあり、チームに不満をためるファンは年々増えていた。ここ数シーズンは、ファンが「ベンゲル出ていけ」と書かれた横断幕やカードを掲げる場面が当たり前に見られるようになり、最近は本拠地エミレーツ・スタジアム(Emirates Stadium)も空席が目立つようになった。

 68歳の指揮官は、退任について「疲れてはいない。しかし、このクラブはイングランドだけではなく、世界中で尊敬されるべきだと私は信じている。ファンには世界中で団結してほしいが、そうなっていなかった。クラブが尊重されるべきだと考えている自分としてはそれがつらかった。われわれが与えている印象は、ふさわしいものでも、私が望むものでもなかったということだ」と話した。

「私は怒っていないし、くだらない見出しに貢献するつもりもない。ただ、私の人間性がクラブの必要としている道を阻んでいるのだとしたら、それは重大なことだと感じただけだ」

 それでもベンゲル監督は、自身がこれまでクラブで残してきた実績には誇りを持っており、クラブを取り巻く状況は1996年の就任当初と比べれば劇的に改善したと考えている。

「私がこの22年で下してきた決断は、すべてアーセナルのことを考えたものだ。組織構造、選手の育成、そしてもちろんプレースタイルの確立と結果のすべてでクラブを変えようとしてきたし、この三つを並立させるのは簡単ではない。そのすべてが非常に力強い状態でクラブを去れると信じているし、私の目標は常にそこだった。私の願いは、次の20年でさらに良くなることだ」 (c)AFP/Kieran CANNING