【4月22日 AFP】イングランド・プレミアリーグ、アーセナル(Arsenal)の指揮官を退任すると発表したアーセン・ベンゲル(Arsene Wenger)監督について、クラブOBのイアン・ライト(Ian Wright)氏は、同監督が自ら職を退くとは考えられず、実質的な解任に違いないと考えている。

 ベンゲル監督は20日、22年率いたアーセナルを今季限りで離れることを発表。チームは2004年以降プレミア制覇から遠ざかり、2季連続で4位以内を逃すことも確実になっている。来季の欧州チャンピオンズリーグ(UEFA Champions League)に出場するには、ベスト4に残っているヨーロッパリーグ(UEFA Europa League 2017-18)で優勝するしかほぼ道はない。

 近年はチームの成績に不満をためたファンからも解任を求める声が繰り返し出ていた。それでも68歳の指揮官は続投希望を貫いていたが、ベンゲル監督の政権初期にプレミア制覇に貢献したライト氏は、クラブの上層部に退任を強いられたとの見解を示している。

 ライト氏は英タブロイド紙サン(The Sun)で「アーセン・ベンゲルは原理原則と誠意、一貫性の男だ。だからこそ私は、彼が辞めたのではなく解任されたと確信している。いろいろ批判や暴言を浴びたとはいえ、アーセンは契約終了を待たずに去るような男ではない」と話した。

「こういうことになったのは悲しいし、誰もがお互いに責任をなすりつけ合うだろうから、真相は永久に闇の中だろう。いずれ本人が記者会見を開くだろうが、そのあたりはほのめかさないと思う。そして去っていく。情報は何も増えない」

「それでも、アーセンは顔を高く上げて出ていく資格がある。だからこそ、終わり方がどうであれ、アーセナルとサッカー界の真のレジェンドにふさわしい送り出し方をするべきだ。われわれはみんな彼に多くのものを負っている」

 一方、ライト氏の元同僚で、こちらはベンゲル監督の下で3度のリーグ優勝を達成したマーティン・キーオン(Martin Keown)氏は、ベンゲル監督にとってアーセナル退団は「死に別れる」ような気分だろうと話した。

 キーオン氏はデーリー・メール(Daily Mail)紙で「私が圧倒的に強く感じているのは悲しみだ。アーセン・ベンゲルは家族以上にアーセナルとサッカーを愛している。それを諦めるのは死別するような気持ちだろう」と話している。

「私がクラブとたもとを分かったときも、そう感じた。私はあのクラブで18年間を過ごし、今でも別れを完全には乗り越えられていない。アーセナルを離れると、心の奥が痛む。私を含めた教え子の多くが、ベンゲルの退任とともに、自分の一部がクラブから永遠に消え去るように感じるだろう」 (c)AFP