【4月22日 AFP】アーネスト・ヘミングウェー(Ernest Hemingway)、マルセル・プルースト(Marcel Proust)、ココ・シャネル(Coco Chanel)らが滞在したことでも知られる仏パリのリッツ(Ritz)ホテルの家具や装飾品など1万点が競売に掛けられ、落札総額は業界記録となる計730万ユーロ(約9億6500万円)に上った。仏競売会社アールキュリアル(Artcurial)が21日、明らかにした。

 3000組以上の品の競売は、17日から21日にかけて実施された。競売品にはベルベットのカーテン留めからカーペット、ベッドフレーム、リッツホテルのマークが刺しゅうされたバスローブやスリッパなどが含まれていた。

 リッツホテルは4年間にわたる大改装を終えて2016年に営業を再開したが、その際に、今回競売に掛けられた家具などを売却することを決めていた。

 リッツホテルは1898年、スイスのホテル経営者セザール・リッツ(Cesar Ritz)により創業されて以来、さまざまな歴史的出来事を目撃してきた。

 第2次世界大戦(World War II)中はナチス・ドイツ(Nazi)に接収された。ナチスが退いた後、1944年8月24日にヘミングウェーが銃を片手に民兵を連れてリッツを「個人的に解放」するため乗り込んだが遅すぎたとわかり、バーに向かうとドライマティーニを51杯飲み干したと言われている。故ダイアナ元英皇太子妃(Princess Diana)は1997年、パパラッチに追われ交通事故に遭った時に滞在していた。また、1月には宝飾品400万ユーロ(約5億3000万円)が奪われる強盗事件が発生した。(c)AFP