【4月22日 AFP】ボクシング、元世界王者のアミール・カーン(Amir Khan、英国)が21日、2016年5月にサウル・アルバレス(Saul Alvarez、メキシコ)に敗れて以来約2年ぶりの試合となるスーパーウエルター級12回戦に臨み、カナダのフィル・ロ・グレコ(Phil Lo Greco)からわずか39秒でKO勝ちを収めた。

 ほぼ5年ぶりに母国のリングに上がった2004年のアテネ五輪銀メダリストは、左右の素早いコンビネーションで開幕のゴングから30秒とたたないうちにロ・グレコに膝をつかせると、すぐさまロープ際に追い詰めて連続ダウンを奪い、電光石火の勝利を収めた。

 カーンについては、この日リングサイドで観戦したケル・ブルック(Kell Brook、英国)との対戦が以前から切望されているが、この勝利でライバル対決の実現に一歩前進したとみられる。

 カーンは英BBCで「リングからは2年離れていたが、ジムで厳しい練習を続けていたし、1日も休んだことはなかった。復帰の正しさを証明したかった。12ラウンド戦えるトレーニングをしてきたし、いくつか変えなくてはならないこともあった。ロ・グレコは危険な相手だった」とコメントした。

「この勝利を楽しんでほしい。カーンが戻って来た。少し緊張したけど、派手に戻ってきた。今年か、来年には世界チャンピオンに戻りたい。最強の連中とやりたい。必要なら階級を上げてもいい」

 カーンはブルック戦について「その試合を焦って実現しようとするつもりはないし、逃げるつもりもない。いずれケル・ブルックと戦って倒す。ケル・ブルックは僕の知名度にずっと便乗してきた男だ。僕の方が強いし、優れたファイターだ。僕は逃げるファイターじゃない」と話した。

 一方のブルックはこの言葉を聞き流し、カーンがセレブとジャングルで暮らすリアリティー番組に出演していたことを指して「あいつは試合を望んでないし、逃げてばかりだ。ファンは俺たちのファイトを見たがっているし、こちらも望んでいる。奴はジャングルへ行ってスターを追いかけることはできるが、俺がそこへ行ったらやつに星を見せてやるさ」とコメントした。(c)AFP