【4月21日 AFP】女優のナタリー・ポートマン(Natalie Portman)さん(36)が、イスラエルにおける「最近の出来事」に心を痛めているとして、エルサレムで行われる「ジェネシス賞(Genesis Prize)」授賞式への出席を取りやめた。主催者が明らかにした。

 公式ウェブサイトによると、2013年に創設されたジェネシス賞は「ユダヤの次世代に刺激を与える傑出した個人」に与えられる。

 ジェネシス賞財団は19日夜、ポートマンさんの代理人の一人から「彼女はイスラエルにおける最近の出来事にひどく心を痛めており、イスラエルで行われる公の行事への出席にためらいを感じている」と連絡があったと発表した。「(ポートマンさんは)良心に照らして、授賞式に出席することはできない」と連絡を受けた同財団は6月末に予定していた授賞式の中止を余儀なくされた。

 ジェネシス賞財団は、ポートマンさんが何について心を痛めているのかは明らかにしなかったが、イスラエルは3月30日からパレスチナ自治区ガザ地区(Gaza Strip)との境界で行われている抗議デモと衝突で実弾を使用したことをめぐり厳しい目で見られている。

 イスラエルのミリ・レゲブ(Miri Regev)文化・スポーツ相は、イスラエルに対する制裁を呼び掛けるBDS(ボイコット、投資引き揚げ、制裁)運動に賛同しているとしてポートマンさんを非難し、イスラエルのメディアに出した声明で「ナタリー・ポートマンが熟した果実のようにBDS運動の支持者の手に落ちたと聞いて遺憾に思う」と述べた。

 エルサレムで医師の父と芸術家の母の間に生まれ米国とイスラエルの二重国籍を持つポートマンさんは、イスラエルに由来のある自らの出自を誇らしげに語ってきた。(c)AFP