【4月21日 AFP】ナチス・ドイツ(Nazi)の指導者アドルフ・ヒトラー(Adolf Hitler)の誕生日に当たる20日、ドイツ東部の辺境の町でネオナチ(Neo-Nazi)の祭りが行われ、数百人が参加した。一方、住民や反ファシスト団体による祭りへの抗議行動にも数百人が集まった。

 この祭りは「Schild und Schwert(盾と剣)」と銘打ち、2日間にわたり開催されている。開催地となったオストリッツ(Ostritz)は人口2300人の小さな町で、ポーランド、チェコとの国境に近い。

 参加者の大半が右派過激主義者の男性で、多くが「民族の守護者」「好きな色は白」「アドルフ最高」などのスローガンが書かれたTシャツを着ていた。また、「アーリア人同胞団(Aryan Brotherhood)」と呼ばれる集団が警備に当たった。

 祭りには東欧の過激主義者の参加も想定され、武装警官が数百人態勢で会場を取り囲んだ。

 主催者は、「レコンキスタ・エウロパ(欧州国土回復運動)」の祭りは、極右の音楽、演説、武術や、入れ墨大会、出店などを目玉とする政治イベントで、ドイツ憲法の下で法的に保護されると説明。参加者は1000人前後を見込んでいるとした。

 ドイツでは2015年以降の難民の大量流入を受け、極右集団や超民族主義集団が復活する動きが見られている。また、昨年9月の連邦議会選挙では、移民排斥を掲げた極右政党「ドイツのための選択肢(AfD)」が議席を獲得した。

 一方、オストリッツではこの日、「盾と剣」の会場から離れた場所で祭りへの抗議行動が2件あり、数百人が参加した。(c)AFP/Frank ZELLER