【4月21日 AFP】サウジアラビアで20日、約35年ぶりに映画が一般向けに上映された。

 首都リヤドでは18日、米映画館チェーンの「AMCエンターテインメント・ホールディングス(AMC Entertainment Holdings)」が同国第1号となる映画館をオープンさせていた。

 上映された作品は、ハリウッド(Hollywood)のヒット作『ブラックパンサー(Black Panther)』。一般向け上映の初日には、完売の貴重なチケットを握りしめた男性客や女性客が、ポップコーンや炭酸飲料を手に館内に入って行った。

 サウジアラビアは1980年代、映画館を低俗で罪深いものと非難する宗教界の保守強硬派の働きかけを受け、国内の映画館を閉鎖していた。

 映画館の再開は、ムハンマド・ビン・サルマン(Mohammed bin Salman)皇太子による野心的な改革の一環。同皇太子は、石油価格低迷に伴う補助金削減という不人気政策とバランスを取るため、娯楽を多様化させている。

『ブラックパンサー』は資源に恵まれたアフリカの架空の王国を治める若き王を描いた物語で、サルマン皇太子を連想させる作品だとの声も上がっている。

 チケットの価格は、今年導入された娯楽税と付加価値税を含め、1枚75サウジ・リヤル(約2150円)で、ソーシャルメディアでは、緊縮の時代にあまりに高額だとの不満が多く上がっている。(c)AFP