【4月20日 CNS】信号を自動で識別し、立体地図は自動で更新。路上で危険に遭遇すれば、緊急ブレーキがかかる。阿里巴巴(アリババ、Alibaba)傘下の物流企業、菜鳥(Cainiao)が開発した無人配達車が18日、中国・杭州市(Hangzhou)の公道でテスト走行を行った。

 菜鳥ET物流実験室の責任者、陳俊波(Chen Junbo)氏は、「この無人配達車『ジープラス(Gplus)』は、すでに非公開で2か月の路上テストを行っており、年内には商用に量産化される。具体的なビジネスモデルについてはまだ模索中だが、主に地域コミュニティと学校内部の荷物配達に利用するだろう」と話す。

 アリババのジャック・マー(Jack Ma)会長は以前、「中国では毎日平均で1億件の荷物が生まれている。近い将来には1日で10億件になる」と言及している。

「現在、自社の300万人の配達スタッフに当てはめれば、将来的には3000万人のスタッフが必要になるだろう。高齢化が進み、労働力が不足する状況では、速達配送モデルを必ず変えなくてはならない」と陳氏は言う。

 無人配達車はエンドユーザーへの配達を補い、毎日24時間、無休配達を実現でき、配達員にかかる負荷を軽減できる。

 今回のテスト状況は、通行人や自転車、障害物、交差点などの突発的な道路状況下でも良好な成績を収め、事故も起きなかった。

 陳氏は、「実際のところ、無人配達車のすべての技術は、無人運転自動車と同じ。『ラストワンマイル』の配達環境は、道路運送より複雑なことが往々にしてある。今後は無人の大型貨物車を製造し、長距離運送などのニーズにも応えていきたい」としている。

 陳氏は、5~6年後には、中国の50%以上の荷物がスマート配達ロボットによる配達になるのではとみているという。(c)CNS/JCM/AFPBB News