■ホーム・スイート・ホーム

 こうした戦略が成功するかどうかは今後も見守る必要があるが、ヤン氏が3000万元(約5億1000万円)かけたと話すLGDの豪華な施設には野心が溢れている。

 広さ2200平方メートルの敷地には、記者会見場やファンゾーン、練習場、バー、ギフトショップなどがあり、ハイテク機器が並んだ制御室では、若い技術者の一団が、数百万人の視聴者のためにインターネットで試合映像を配信している。

 ステージ上ではLGDの5人の男性プレーヤーが、まるで宇宙飛行士のように未来的な座席に座り、頭上に設置された幅7メートルのスクリーン上で、南京(Nanjing)市のチームとバトルを繰り広げる。さらに、アナウンサーが実況もする。

 ヤオ・ジアン(Yao Jian)さん(23)は、以前はスナック菓子を買い込み、無錫(Wuxi)市の自宅にあるパソコンか携帯電話でeスポーツの試合を長時間見続けていた。だが今は、定期的に片道数時間かけて杭州市にまで出かけているという。

「スタジアムはものすごい熱気だ」とジアンさん。自分のように「内向的な」性格でも、いつのまにか声援を送っているという。「ホームスタジアムは連帯感を与えてくれる」とジアンさんは話す。

 LGDのチームメンバーは大半が中国人だが、韓国人も2人いるという。ヤンさんによると、LPLのトッププレーヤーの移籍料は、数百万ドル(数億円)に達することもあるという。