【4月20日 AFP】中国のeスポーツ(対戦型競技ゲーム)チーム「LGD Gaming」が数百万ドルをかけて設置したホームアリーナは、家具店がひしめくショッピングモールの一角にある。英オールド・トラフォード(Old Trafford)や米ヤンキースタジアム(Yankee Stadium)などとは全く異なる外観だが、これこそが、未来型スポーツを物語っていると言ってもいい。

 中国東部の杭州(Hangzhou)市にある座席数400の競技場には、月に数回、「リーグ・オブ・レジェンド(League of LegendsLPL)」プロリーグのLGDの試合を見に熱狂的なファンらが押し寄せる。14のプロeスポーツチームが参加するこの競技会は、今年から複数の専用アリーナで開催されるようになった。

 中国では、リーグ・オブ・レジェンド(League of Legends)やDOTA2といった人気ゲームにけん引されて、eスポーツがブームになっている。ゆくゆくは五輪正式種目に追加されたり、若い競技者が大金を手にして一躍有名になったりすることへの期待も膨らんでいる。

 米国や中国では、複数のチームによるトーナメント戦を目当てに続々と押し寄せる観客を収容するため、特別に設計されたeスポーツ競技場が登場している。

 しかしLPLの「ホームスタジアム」は、時代を先取りしていると、業界関係者は指摘する。

 LGDのヤン・シュンファ(Yang Shunhua)ジェネラルマネージャーは、「ホームがあれば、各チームのファンは一地域に集中する」「そうすれば、ファンが選手やチームと交流する機会も増える。これこそが、eスポーツの未来の姿だ」と語った。

 2013年の競技開始当初は、LPLの試合は上海で開催されていた。

 しかし同リーグのオーナーである中国IT大手のテンセント(Tencent)は、チームを本拠地に根付かせるよう推奨。現在、3チームがホームアリーナを所有しており、今後もその数は増える予定だという。