【4月20日 AFP】フランスの最高行政裁判所である国務院は19日、市民権授与式で主催・関係者との握手を拒んだイスラム教徒のアルジェリア人女性にフランスのパスポート発給を認めなかった政府の決定を支持する下級審判決を維持し、原告側の上訴を棄却した。

 この女性は南東部リヨン(Lyon)近郊のイゼール(Isere)で2016年6月に行われた授与式で、式の主催者や地元政治家との握手を拒んだ理由について、「宗教的信条」に基づくものだと主張していた。

 一方、政府は女性の態度を「フランス社会に溶け込んでいない」証拠だと主張していた。これは、フランス人の配偶者への市民権付与を政府が拒否できる理由として民法に定められた条項の一つに該当する。

 2010年にフランス人男性と結婚したこの女性は、市民権付与を拒否した政府の決定を「権力の乱用」だとして2017年4月に上訴していた。しかし、国務院は「政府は法を不正に適用していない」として訴えを棄却した。(c)AFP